【新規就農】植物工場を始めて軌道に乗せるまでに必要なこと。

新しく農業を始めて自ら栽培したお野菜を販売して消費者のもとへ届けていく新規就農の人気が近年じわりじわりと高まっているようです。というのも、弊社で提供している本格的な水耕栽培システムに関するお問い合わせの件数がここ数年で顕著に伸び続けているからです。

新規就農をめざしていらっしゃる方の中には法人のお客様、個人のお客様といらっしゃいます。今回は、これから法人の経営多角化の中で社内に新規事業として植物工場、野菜工場を始めようとする場合に必要なロードマップをご提示して参考にしていただければと考えマーケティングも含めた情報を続きものとして提供して参りたいと思います。

尚、法人のお客様向けとは記載しておりますが、本質的に大事な情報は法人のお客様と個人のお客様とで違いが出てくるものではなく重複していると考えていますので十分の個人で新規就農を計画していらっしゃるお客様にも参考にしていただけるものと考えております。

こちらの記事は概略的なロードマップにとどめさせて頂き、適宜それぞれの詳細な情報をリンクの形式で足して参ります。


目次

1.本稿での新規事業ロードマップと事業計画書について

2.新規事業ロードマップの必要性について

3.新規事業ロードマップを構成する必須事項について


本稿での新規事業ロードマップと事業計画書について

新規就農に限らず、何かしらの事業を始めようとする場合には実現したと考えるゴールの設定は必須事項です。個人のレベルでは目標を定める必要性が説かれるシーンが多く存在すると思いますが、ビジネスとして事業に取り組む際にはより多くの関わりを持つヒトやカネにモノや情報が存在しますので、それらの関わりへの影響も考慮しより明確なビジョンと計画的な方針が必要となります。

新規事業を始めようとする際には新規事業ロードマップと事業計画書を峻別して紹介していいる情報もありますが本稿では厳密に分けるものではなく、計画を立てる際に必要な情報、思考といった趣旨て説明と紹介を加えて参ります。

ざっくりと新規事業ロードマップは社内含め対内的な説明と情報共有に必要なものであり、事業計画書は補助金申請などを行う際に対外的に事業の方針や計画の説明が必要となる際に求められる書式位の認識でよろしいかと思います。

新規事業ロードマップの必要性について

次に、新規事業ロードマップの作成の必要性について説明して参ります。

事業ロードマップで目標・ゴールを明確に設定できる

新規事業ロードマップ作成の際に最も重要な項目は明確なゴール・達成させるべき目標の設定です。そして、ここで説明しているゴール・目標は中間的なものではなく全体的、最終的なゴール・目標である必要があります。

事業ロードマップは明確なゴールとともに期限を設定しましょう

新規事業ロードマップを作成する際には明確なゴールの設定と同時に期限を設定し、その期限をもとに逆算思考で計画を作成していくとよりスムーズにロードマップの作成が進んでいくと考えます。

事業の経過とともに増える関係者との情報共有ツールとして活用しましょう

新規で始めた事業も最初は少人数によるスタートだと思いますが、運営時間の経過に伴い、関わる人数が増えることが予想されます。そういった時にも明確なロードマップの存在が新しくチームに合流するメンバーがよりスムーズにチームに溶け込んでいくための助けになるはずです。

新規事業ロードマップを構成する必須事項について

新規事業を始める際のロードマップの内容は何を扱い何に取り組むかにより異なりますが、ロードマップ作成の過程で必要な構成要素は共通していると考えています。これから6個のロードマップの必要的な構成要素をお伝えします。

⓵新規事業により達成したい明確なゴール

これから始めようとする新規事業で提供したいものは何か!?達成したいテーマは何か!?解決したい問題は何か!?自由に発想を巡らせてこうすべきではなく白い紙に自由に思いのままに書き連ねていくとご自身でも気づかなかった発見と遭遇するチャンスがあるかもしれません。

楽しみながら明確なゴールについて思いを巡らせ形にしていかれたらよろしいかと思います。そして、今回のテーマは新規就農の場合ですから徐々にテーマが具体化してきたら新規就農に際して期限を設けてどのくらいの期間で何(どんな品種)を栽培するのか、どれくらいの売り上げでコストなども考え最終的にどれくらいの利益を目指すのかといった要素を順番に埋めていくとよろしいでしょう。

⓶年度ごとのテーマ・ターゲットの作成について

上記でお示ししました明確な目標・ゴールに関しては期限の設定も必要であるとお伝えしていました。そして、その期限の中で年度ごとにテーマを設定して参ります。

例えば新規就農であれば、⓵生産品種の栽培に成功⓶生産品種の増産○○%を目指す③生産品種の高付加価値化でブランド戦略をもとに売り上げを○○%へ引き上げる……などなど設定していくことになります。

③新規事業のお客様層(ターゲット)の明確化

新規就農でお野菜を栽培するといっても、どのような品種のお野菜をどのようなお客様へアピールして消費に繋げていくのかということです。

弊社は新規就農の中でも水耕栽培という栽培方法に特化した企業です。お野菜の品種によっては水耕栽培に適するもの、露地栽培に適するものがあります。そして、水耕栽培で栽培できるとしても品種によって栽培の難易度や栽培に要するコストも変わってきます。

同時に自社のターゲットとする顧客層はどのようなお野菜を求めていらっしゃるのかといったニーズを事前に把握しておく必要もあるでしょう。

まずは求められるものを栽培して提供を続け、その過程で信用を獲得して自社が提供したいと思う品種も加え事業を拡大していくという計画はより安全ではないかと思います。

大事なことはお客様の顔が見えているかということではないでしょうか!?

④事業目標を達成するためのアクションの明確化について

⓶の年度ごとのテーマで掲げた目標を達成するためにどのようなアクション、施策が必要であるかを具体的に挙げていきます。

こちらの情報はヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源をベースに考えていくと、まずはできるかどうかという基準がはっきりしますし、そのうえで必要性について思考が続いていきますので情報の整理として威力を発揮すると思います。

⑤新規事業の構築する強みであるコア・コンピタンスを挙げる

新規事業を立ち上げ運営が始まると市場には無数の競争相手が出てきます。そのような市場の競争原理の中で自社の経営を有利に進めていくために必要な要素が強み(コア・コンピタンス)です。

新規就農しようとする場合、すでに同じ市場で前を走っている事業者に追いつき追い越すため強みは何か!?また、自社よりも後発の事業者が表れても負けない強みは何か!?

言うは易しで事業の強みとなるコア・コンピタンスはそんな一朝一夕に出来上がるようなものではありません。が、目標に似た位置づけでもそれが実現すればこのような強みを得ることができるといった趣旨で提示しておくと対外的にもアピールの武器になると考えます。

⑥マーケティング計画の作成について

新規事業として始めた植物工場で栽培したお野菜をどのようなお客様層へどのようなアプローチで届けるかというお話です。

最初は認知もない自社製品をどのように市場のターゲットとするお客様に知っていただき消費行動へつなげていくのか!?今はインターネットの発達に伴いアイデアの効果を比較的短期間で確認することもできる時代です。

そして、マーケティングに活用できるツールにプラットホームも無料で有益なものがたくさんそろっている状況です。

ご自身でまずは一次情報を求め歩き出されると良いと思います。

以上の工程でロードマップを作成し、実際に行動に移すことでまた新たな問題に遭遇することもあると思います。が、このロードマップの存在が事業成長の過程を振り返る際の力強い相棒になっていることを願います。

今後、本稿の各テーマをより深堀するスタイルで情報を足していく予定です。ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

※本稿の情報に関しましては予告なしに内容変更となる場合があります。実際に新規就農の結果を保証するものではございませんのでご認識の上でご活用くださいませ。

既に事業ロードマップの作成も進んでいらっしゃる方でご相談したい問題がございましたら弊社で有料の事業開始前の事業コンサルもご用意しておりますのでぜひご活用ください。