活力剤って肥料とどう違うの?使うタイミングはいつ?

 

ホームセンターやネットで、肥料とは別に見かける
緑色の小さいアンプルや、ボトルで売られている活力剤…

これって肥料とどう違うんだろう?
どのタイミングで使うんだろう?

そんな活力剤についての疑問を解説していきます。

 


目次

1.肥料と活力剤のちがい

2.活力剤を使うタイミング


肥料と活力剤のちがい

肥料は、「肥料取締法」「肥料の品質の確保等に関する法律」といった法律で
「窒素・リン酸・カリ」の肥料の三要素の最低量が決められているんです。

参考:肥料の三要素って?どんな影響があるの?

内容成分がその基準に満たないものや、肥料の三要素以外の微量要素など植物の栄養になるものを配合したものが「活力剤」として販売されています。

 

活力剤を使うタイミング

活力剤と肥料の関係は、
人間で例えると

・肥料…食事

・活力剤…サプリメントや栄養ドリンク

とよく言われています。

その言葉のとおり、ちゃんと肥料(食事)を与えているのに元気がないな~、
というときに活力剤を与えてみてください。

ただし!

植物が元気がない原因が栄養不足とは限りません。
追肥や活力剤を与える前に、まずは生育環境を見直しましょう。

植物には栄養(肥料・活力剤)のほかに
水・温度・日光がとても大切になってきます。

・気温は適温か

・日光はちゃんと当たっているか

などをまずはしっかりとチェックしましょう。

※植物によって適度な気温や陽当たりは様々です

また、養液のpH濃度やEC濃度が崩れている場合もあります。
可能であればpH計、EC計で養液の状態をチェックしましょう。

それでも調子が悪いようであれば、活力剤を投入してみてください。

 

不調の要因もさまざまですので
「これが原因だ!」と見極めるのは難しいですが、
あきらめずに解決策をみつけて、おいしい野菜を育てましょう!

肥料の三要素って?どんな影響があるの?

水耕栽培をはじめて肥料を与えてるけど、
肥料ってそもそもどういう成分でできてるんだろう?
それぞれどんな働きがあるんだろう?

今回はそんな肥料の成分について解説していきます。

 


目次

1.肥料の三要素

2.窒素について

3.リン酸について

4.カリ(カリウム)について


 

肥料の三要素

植物は成長のために水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム…などなど、様々な成分を必要とします。

その中でも「窒素」「リン」「カリウム」の3つは植物の生育に大きく関わり、かつ多量に必要なため肥料として与えられることが多く、肥料の三要素とよばれています。

しかし!
じゃあ肥料をたくさん与えればよく生育するのかというと、そうではありません。
肥料は少なすぎても、与えすぎても植物の生育に影響を与えます。

じゃあそれぞれどんな働きがあるの?
少なかったり与えすぎるとどんな影響があるの?

続いて解説していきます。

 

窒素について

窒素は、「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、
・葉っぱや茎を大きくする、
・葉緑体の生成に役立ち、きれいな緑色に色づける、
といった役割があります。

窒素が不足すると、葉っぱの色が黄色くなる、落葉してしまう、また、枝の数が減り結果として花や実のなる数が減ってしまう、といった影響が出てきます。

窒素が多すぎると、細長く徒長してしまう、環境変化や病害虫の影響を受けやすくなる、また、トマトなど実のなる野菜だと結実が悪くなる、といった影響があります。

リン酸について

リン酸は「花肥(はなごえ)」や「実肥(みごえ)」とも呼ばれ、
・花や実のつきを良くする
・植物の生長(細胞分裂)に使われる
といった役割があります。

リン酸が不足すると、窒素と同じように葉っぱが黄色くなったり、枯死を引き起こします。

リン酸が多すぎる影響はなかなか現れませんが、ほかの成分の欠乏を引き起こしてしまう場合があります。

カリについて

カリは「根肥(ねごえ)」とも呼ばれ、
・根っこの生育
・気温の変化や病害虫に強くなる
といった役割があります。
※元素名だと「カリウム」ですが、肥料の場合は「カリ」と呼ばれます。

カリが不足すると、葉っぱの湾曲や硬質化、古い葉っぱの外側から徐々に黄色化してくる、といった症状がおこります。

カリが多すぎると、マグネシウムやカルシウムの吸収を阻害してしまい、結果としてマグネシウム欠乏やカルシウム欠乏の症状を引き起こします。

・マグネシウム欠乏・・・古い葉っぱから順に、色が薄くなってくる、など

・カルシウム欠乏・・・新しい葉っぱや新芽が変形したり、枯れたような状態になる、など

 

 

このように、肥料は多すぎても少なすぎても生育に影響があります。
その理由は、栄養素にはそれぞれ

・特定の栄養素があることで力を発揮する仕組み(相乗作用)、
・特定の栄養素が多いと力を発揮できない仕組み(拮抗作用)、

があるからなんです。

ですので、吸収した窒素をタンパク質に変える(細胞分裂する)ために必要なリン酸が不足すると、窒素不足と同じような症状が起きてしまいますし、
カリウムカルシウムマグネシウムはお互いに吸収を抑えあってしまうので、いずれかが多すぎると他の欠乏症を引き起こしてしまう、

といった状態になるわけですね。

 

こうした肥料の不足や過剰を回避するために、
肥料の希釈割合や、2液式の肥料の場合それぞれの割合をしっかりと守ることが大切になります。

また、養液のpHやECバランスが崩れてくる場合もありますので、
pH/EC計で数値を測定するのもオススメです。

別記事:水耕栽培で目にするpHやECとは何だろう?

 

家庭菜園の肥料でお悩みの方、
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関連記事:
水耕栽培 液肥の種類と選び方
水耕栽培用の肥料は土耕栽培用の肥料と違うのか?

 

水耕栽培の養液の補充のやり方、破棄ってどうしたらいいの?

 

水耕栽培をはじめてみたけど、養液の補充ってどうするの?
継ぎ足し?入替?はじめたばかりで、こんな疑問を持ったことはありませんか?
今回は、水耕栽培における養液の補充のやり方、また、液体肥料の破棄方法について解説していきます。

 


目次

1.水耕栽培養液の作り方

2.養液の補充のやり方

3.液体肥料の破棄方法について


 

水耕栽培養液の作り方

水耕栽培における養液とは、液体肥料を水で薄めたものをいいます。
希釈濃度は、肥料によって違いますが、200~500倍に薄めて使うものが多いです。

例えば、200倍希釈で養液を作成する場合、
1Lの水に対して、5ccの肥料を入れます。
2Lの水に対しては、10cc、、といったように、作成します。

同様に、500倍希釈の場合、
1Lの水に対して、2ccの肥料を入れることになります。

基本的には、肥料に対して決まった希釈濃度で希釈しますが、
夏場など、pH値が上がりやすい時には、薄めに作ったりなど、成長段階や、栽培環境に合わせて、自分で調整することもうまく栽培するうえでは大切です。

液体肥料の原液は、肥料成分が安定しているため、有効期限はありませんが、作った養液は、保存せずに、その日のうちに使い切るようにしましょう。

 

養液補充のやり方

野菜が成長するにつれて、養液は減っていきますが、都度養液を入れ替える必要はありません。
基本的に、追加補充で大丈夫です。ただし、根腐れが起きている、野菜の様子がおかしいなど、何らかの問題があれば、養液を総入れ替えすることで、問題が解決する場合があります。
また、根腐れの原因になりますので、根っこ全体に養液が浸らないくらいの量を補充するようにしてくださいね。だいたい、根っこの半分~2/3くらいが浸かっていれば大丈夫ですよ。
アオコの発生が気になる方は、アルミホイルなどで光が当たらないように容器を覆うなどの対策をされてみてください。

 

液体肥料の破棄方法について

液体肥料は、少量であれば、薄めて洗面所などから破棄していただいて大丈夫です。特に決まった希釈濃度はございませんので、石鹸を洗い流すくらいのイメージで、液肥を捨てた後、真水を流してください。
また、水耕栽培の廃液はそのまま露地栽培の肥料になります。
根菜の栽培に再利用されている方もいらっしゃいますし、1000倍程度に薄めれば、植物にも使用可能です。
原液の破棄につきましては、各自治体に確認していただき、かなり濃度を薄めてから破棄を行っていることが多いようです。

 

はじめての水耕栽培は、疑問がいっぱいですよね。
少しずつ、経験を積み、自分で野菜を育てる楽しさを感じてみてくださいね。

 

 

水耕栽培で目にするpHやECとは何だろう?

 

水耕栽培は省スペースで室内などでも手軽に栽培できるわけですが、土を使わない代わりに液体肥料(養液)が必要になります。

水耕栽培の場合、養液のpH値が土壌での栽培と比べると、変化しやすいため、作物が育ちやすい環境を保つためには、pHやECを把握することが大切になってきます。


目次

1.pHとは何だろう?

2.ECとは何だろう?

3.どうやって把握したらいい?


 

pHとは何だろう?

pHとは酸性、アルカリ性の度合を0~14の値で表します。pH7が中性ですが、それよりも小さくなるほど酸性が強く、大きくなるほどアルカリ性が強くなります。

適正値は、植物にもよりますが、一般的には5.5~7.0の弱酸性の状態と言われています。

養液のpH値が、必要以上に酸性やアルカリ性に傾くと、肥料成分を吸収できなくなったり、根が傷む原因となりますので、pH値を把握するのは植物を正常に成長させていく上では大切なことです。

 

ECとは何だろう?

ECとは肥料濃度のことです。適正値は0.5~1.5(水耕栽培なら2.5)と言われています。

何となくイメージとしては、肥料を多く与えれた方が植物はよく育つのではないかと思ってしまいますが、そういうことはありません。

逆に、濃度が濃すぎると栄養過多になり、枯れたり、植物の生育が遅くなってしまったりというマイナス面が出てしまい、生育のスピードが早いという水耕栽培の良さがなくなってしまいます。

 

どうやって把握したらいい?

作物の様子を見て、何かおかしいと感じたなら、病気の可能性もありますが、pHやECのバランスが崩れているかもしれません。

液体肥料を与える時は、標準より少し薄めに作って、作物の様子を見ながら、徐々に標準量に近づけていくようにしたらよいです。

また、予算に余裕があるなら、数値で把握し、管理できる pH/EC測定器がオススメです。

»pH測定器はコチラから

»EC測定器はコチラから

 

 

水耕栽培肥料の使用期限について

 

水耕栽培肥料には、使用期限はあるのでしょうか?

そういったご質問をいただくことがよくあります。

肥料のラベルなどに記載されている日付は、肥料を製造した年月です。
品質表示基準にて、生産した年月の記載を義務付けられています。
(使用期限日ではありません)

水耕栽培液体肥料の使用期限(有効期限)についてご紹介します。

 

 


目次

1、肥料の使用期限(有効期限)

2、保管する場所の条件


 

 

肥料の使用期限(有効期限)

基本的にありません。
有効期限がないのは、肥料の成分が安定しているためです。
ただし、原液に限ります。
希釈した肥料は早めに利用することをおすすめします。
※この場合の希釈した肥料とは、水で希釈しただけの状態を指します。
栽培に利用した肥料は、有機物が混じるので液肥が循環していなければ腐敗の原因となりますので、希釈液はその日の内に使い切るようにしましょう。
特に暑い夏場などは藻が発生したりあらゆる原因がございます。

また、肥料のラベルなどに記載されている日付は、肥料を製造した年月です。
品質表示基準にて、生産した年月の記載を義務付けられています。
(使用期限日ではありません)

 

 

保管する場所の条件

直射日光や湿気を避けた場所、日陰や涼しい場所に保管してください。
必ず原液で保管して下さい。
希釈した状態(水で溶かした養液)での保管は推奨しておりません。

 

 

まとめ

記載された日付を見て「日にち過ぎていますけど!」とのお問合せをいただくこともありますが・・・

・記載の日付は、生産した月日です
・原則的に水耕栽培液肥に使用期限はありません
(保管の状態によります)

出荷前の液肥は、安定した倉庫内で保管していますので、安心してくださいね。

 

 

 

 

 

水耕栽培専門店のエコゲリラ
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