【家庭菜園】ミニトマトやピーマンのしりぐされの原因と対策について

家庭菜園でミニトマトやピーマンなど、実のなる野菜を栽培していると、野菜の実の先端の部分が黒くなっていることがあります。これをしりぐされ病といいますが、今回はこの果菜に発生しがちなしりぐされ病の原因と対策について簡単に分かりやすくお届けします。


目次

1.トマトやピーマンに発生するしりぐされ病の原因について

2.しりぐされ病を防ぐには!?その対策方法について


トマトやピーマンに発生するしりぐされ病の原因について

弊社、エコゲリラのオフィス内で大切に大切に!?育てている家庭菜園のミニトマト。ある日、ミニトマトの成長のようすを眺めていると何やら黒い斑点のようなものをミニトマトの実の部分に発見しました。

早速そのミニトマトの実の状況から病気ではないか!?と考えしらべてみるとどうやらしりぐされ病の症状と合致しました。実の先端だと思っていたのがしりぐされ病ということはおしりの部分だったのか……と一部どうでも良いことを思いながら、どうしてそのような症状が発生したのか!!という本題を調べ始めると……

ミニトマトやピーマンなどにみられるしりぐされ病の原因はカルシウム不足が原因である!!ということが判明しました。

このしりぐされ病、最初はお野菜の実の部分や葉っぱの先の方にその症状が出てくるということなのですが、そのまま放置しておくと株全体がしりぐされ病の影響を受けることになるということなので、早速対策が必要です。

ミニトマトに発生したしりぐされ病の感染経路を考察する

現在、弊社オフィス内で栽培中のミニトマトは水耕栽培の手法により育てています。そして、しりぐされ病の原因について調べていると露地栽培・土耕栽培の手法を前提とした説明しか現状見つけることができていない状況です。

そしてそこにあるキーワードはカルシウム不足という文字。

土耕栽培の場合は、最初トマトの栽培に適した土を作る段階でカルシウム(石灰)やマグネシウム(苦土)などの石灰資材を土に混ぜて土のなかにカルシウムを満たしておく必要があるというもの。そして、苗を畑に定植する段階ではカルシウム豊富な土壌であったのが、雨などの外因により流れ出すなどして不足しがちになるという情報がありました。

そのような場合であればまたカルシウム不足を補うべく必要な石灰などを補ってやれば良いのだろうと思います。

ミニトマトを水耕栽培で育てている場合にもカルシウム不足は起こるのか!?

さて、露地栽培など土でトマトを栽培する場合に雨などの影響でカルシウムが土から流れ出て不足するという情報はすんなりと理解することができるのですが、そもそも水耕栽培は液体肥料で育てる栽培手法です。そして、液体肥料を準備する際にはその肥料の説明書きに従い適切な濃度に液体肥料を希釈(薄めて)対象のお野菜に与えることにしています。

それなのにカルシウムが不足することがあるのだろうか!?あるとすれば何が原因なのかますます気になって仕方がありません。

何とか原因究明の糸口をつかみたいと露地栽培におけるしりぐされの原因について書かれている情報を何度も読み返していると、土壌中に十分なカルシウムがあるにもかかわらずカルシウム不足を引き起こすことがあると書かれているのです。はて!?おやさいを育てる環境に必要なカルシウムが豊富にあるのに不足……どういうことなの!?と、じゃっかん混乱気味の状態でさらに読み進めていくと、十分なカルシウムがあるのに、ある環境条件によりカルシウムの吸収を抑制することがあるといった趣旨の内容でした。

抑制あれば吸収を拒むことなので、そうで確かに拒み続けることで不足するなぁと半ば強引に理解しました。

そして、そのカルシウム吸収を抑制する原因としては土が高温であることや、窒素・カリウム・塩類が多い場合が考えられるというものでした。

そこで早速、ミニトマトの栽培環境を観察し消去法的に液体肥料の濃度が適正であるか、再度EC値といって肥料の濃度を計測したところ標準値よりも若干ではありますが高めという結果でした。

ということで、今回のしりぐされ病の原因は液体肥料の濃度が濃すぎたことで李窒素やカリウムや塩類が高めだったという結論に至りました。

しりぐされ病を防ぐには!?その対策方法について

ここまで記してきた通り、しりぐされ病が発生する主な原因の一つにカルシウム不足というものがありました。

そして、水耕栽培で育てる場合は液体肥料の濃度が濃すぎることによりカルシウムは十分に存在しているのに、植物がカルシウムの吸収を抑制することにより不足することがあるということを押さえておく必要があると思います。

大事なのは、一旦しりぐされ病の症状が発生すると、その実は回復が見込めないので早急に摘み取り処分します。

水耕栽培ではいかに液体肥料の濃度を正確に保つことが重要であるか、改めて再認識させられました。過ぎたるは及ばざるがごとしです……

ところで、今回ご紹介しましたしりぐされ病は果菜と言いまして実のなる野菜にみられる症状ですが、同じような原因により葉物の野菜にも影響することがあります。これをチップバーンと呼んでいます。

葉物野菜の葉の表面部分が黒くなる症状、まさに黒という部分で共通していますね!!

もしも、しりぐされ病ではないか!?と思われる症状が発見されたらぜひ参考にしていただけますと幸いです。