水耕栽培レタスの葉先が黒い?カルシウム欠乏 チップバーンとは?

 

水耕栽培のチップバーンについて

水耕栽培でレタスを栽培している時、葉先が黒くなった経験ありませんか?
実はそれ、カルシウム欠乏が原因と考えられており、その現象を「チップバーン」と呼びます。
今回は、チップバーンの原因や、予防法について解説していきます。

 


目次

1.チップバーンとは

2.チップバーンの原因

3.チップバーンの予防


 

チップバーンとは

イチゴや葉菜類の新葉の葉緑や萼片の先端が、焼けたように褐変、枯死する生理障害のことをいいます。カルシウム欠乏が第一の原因とされています。

引用元:農業技術辞典より

チップバーンの原因

チップバーンの症状は、液肥にカルシウムがバランス良く入っていても発生してしまいます。水耕栽培における葉物野菜での発生は、根から吸収しても葉先にカルシウムが届かないことがあるため、どうしても起こりやすくなってしまうのです。
では、どんな環境が要因なのでしょうか?
その要因は、以下のようなことが考えられます。

1.高温多湿
2.無風状態
3.肥料濃度が濃すぎる
4.日照不足
5.根の状態が悪い

このように、様々な原因で発生するのがカルシウム欠乏(チップバーン)です。

 

チップバーンの予防法

では、具体的な解決策はあるのでしょうか?

まずは、一時的な対処法として、カルシウムの葉面散布が挙げられます。
ただし、実際にカルシウム成分を葉に塗布するとなると、コストと手間暇が掛かりますし、葉面散布をしたからといって、症状が軽減されるとは限りませんので、合わせて根本的な原因の解消を目指しましょう。

 

 

1.高温多湿
→遮光して涼しくしましょう。液肥の装置だけでも光が当たらないようにして、液肥の温度を下げます。養液クーラーなどを使うのも効果的です。

2.無風状態
→室内の換気と、扇風機などを利用して、野菜に刺激を与えましょう。

3.肥料濃度が濃すぎる
→液肥の濃度を少し薄めに調整してみましょう。

4.日照不足
→株間を開けるなどして、葉に十分光が当たるようにしましょう。また、水耕栽培野菜といっても、やはり光は必要不可欠です。目安は朝から6時間以上、最低でも2~3時間は、直射日光が当たるようにしましょう。

5.根の状態が悪い
→腐れてしまっている根は、取り除きましょう。また、酸素不足にならないよう、液肥の量に気を付け、循環ポンプなどを活用して、酸素を循環させるのも効果的です。

 

チップバーンに限らず、野菜の病気を予防するには、光、肥料、温度の3条件を満たすことが大切です。
その条件が崩れている時に、植物は、病気や、チップバーンのような症状でバランスの崩れを表します。まずは、その条件のうち、どこが崩れているのかを考えてみると、原因がわかりやすいかもしれません。