水耕栽培をはじめて肥料を与えてるけど、
肥料ってそもそもどういう成分でできてるんだろう?
それぞれどんな働きがあるんだろう?
今回はそんな肥料の成分について解説していきます。
目次
1.肥料の三要素
2.窒素について
3.リン酸について
4.カリ(カリウム)について
肥料の三要素
植物は成長のために水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム…などなど、様々な成分を必要とします。
その中でも「窒素」「リン」「カリウム」の3つは植物の生育に大きく関わり、かつ多量に必要なため肥料として与えられることが多く、肥料の三要素とよばれています。
しかし!
じゃあ肥料をたくさん与えればよく生育するのかというと、そうではありません。
肥料は少なすぎても、与えすぎても植物の生育に影響を与えます。
じゃあそれぞれどんな働きがあるの?
少なかったり与えすぎるとどんな影響があるの?
続いて解説していきます。
窒素について
窒素は、「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、
・葉っぱや茎を大きくする、
・葉緑体の生成に役立ち、きれいな緑色に色づける、
といった役割があります。
窒素が不足すると、葉っぱの色が黄色くなる、落葉してしまう、また、枝の数が減り結果として花や実のなる数が減ってしまう、といった影響が出てきます。
窒素が多すぎると、細長く徒長してしまう、環境変化や病害虫の影響を受けやすくなる、また、トマトなど実のなる野菜だと結実が悪くなる、といった影響があります。
リン酸について
リン酸は「花肥(はなごえ)」や「実肥(みごえ)」とも呼ばれ、
・花や実のつきを良くする
・植物の生長(細胞分裂)に使われる
といった役割があります。
リン酸が不足すると、窒素と同じように葉っぱが黄色くなったり、枯死を引き起こします。
リン酸が多すぎる影響はなかなか現れませんが、ほかの成分の欠乏を引き起こしてしまう場合があります。
カリについて
カリは「根肥(ねごえ)」とも呼ばれ、
・根っこの生育
・気温の変化や病害虫に強くなる
といった役割があります。
※元素名だと「カリウム」ですが、肥料の場合は「カリ」と呼ばれます。
カリが不足すると、葉っぱの湾曲や硬質化、古い葉っぱの外側から徐々に黄色化してくる、といった症状がおこります。
カリが多すぎると、マグネシウムやカルシウムの吸収を阻害してしまい、結果としてマグネシウム欠乏やカルシウム欠乏の症状を引き起こします。
・マグネシウム欠乏・・・古い葉っぱから順に、色が薄くなってくる、など
・カルシウム欠乏・・・新しい葉っぱや新芽が変形したり、枯れたような状態になる、など
このように、肥料は多すぎても少なすぎても生育に影響があります。
その理由は、栄養素にはそれぞれ
・特定の栄養素があることで力を発揮する仕組み(相乗作用)、
・特定の栄養素が多いと力を発揮できない仕組み(拮抗作用)、
があるからなんです。
ですので、吸収した窒素をタンパク質に変える(細胞分裂する)ために必要なリン酸が不足すると、窒素不足と同じような症状が起きてしまいますし、
カリウム、カルシウム、マグネシウムはお互いに吸収を抑えあってしまうので、いずれかが多すぎると他の欠乏症を引き起こしてしまう、
といった状態になるわけですね。
こうした肥料の不足や過剰を回避するために、
肥料の希釈割合や、2液式の肥料の場合それぞれの割合をしっかりと守ることが大切になります。
また、養液のpHやECバランスが崩れてくる場合もありますので、
pH/EC計で数値を測定するのもオススメです。
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