「水耕栽培を導入したいけれど、毎日どんな仕事があるの?」
「利用者さんに合った作業を用意できる?」
「土日がお休みの事業所でも管理できる?」
就労継続支援B型事業所で水耕栽培を検討するとき、気になるのは導入後の運営ではないでしょうか。
今回は、室内型水耕栽培設備「ネオテラス」を4台導入する場合を想定し、日々の作業、役割分担、週間スケジュール、休日管理の考え方をご紹介します。
※本記事は運用モデルです。実際の作業量や栽培日程は、品種、設備仕様、室内環境、利用者さんの参加状況に合わせて調整してください。
4台を運用するときは、栽培と収穫の時期を分ける

4台の設備を使う場合、最初に考えたいのが「いつ、どのくらい収穫するか」です。
すべて同じ日に種をまくと、収穫や袋詰め、片付けが同じ時期に集中する可能性があります。販売先や施設内で使う量に合わせて、栽培を始める時期をずらす計画を立てましょう。
例えば、4台をA〜Dと名付けて管理すると、作業の対象が分かりやすくなります。
- A号機:最初の栽培グループ
- B号機:A号機より開始時期をずらす
- C号機:B号機より開始時期をずらす
- D号機:C号機より開始時期をずらす
ずらす間隔は、育てる品種と実際の栽培期間を確認して決めます。4台あれば必ず毎週収穫できる、という意味ではありません。
育苗場所や収穫後の清掃日程も含めて、無理のない計画にすることが大切です。
水耕栽培で毎日確認すること
種まきや収穫がない日にも、植物と設備の確認は必要です。4台それぞれについて、次の項目を確認するところから一日を始めましょう。
- 養液の量:設備で定めた水位を保てているか
- 循環設備:ポンプや水の流れに異常がないか
- 照明:設定した時間どおりに点灯・消灯しているか
- 室内環境:栽培に適した温度を保てているか
- 野菜の状態:しおれ、変色、虫などの変化がないか
- 設備の周囲:水漏れや床のぬれがないか
利用者さんには「いつもと違うところを見つける」「チェック表に記録する」といった作業を担当してもらう方法があります。
養液の調整や設備の異常への対応は、担当職員が確認します。気付いた人が一人で判断せず、誰に伝えるかを決めておくと運用しやすくなります。
利用者さんの得意に合わせて作業を分ける
水耕栽培には、野菜を育てる工程だけでなく、商品を整えたり、記録したりする仕事もあります。
エコゲリラの農福連携プラン「GG.work」でも、栽培・包装・清掃・記録・販売などに工程を分ける考え方を紹介しています。
4台の運用では、例えば次のように作業を分担できます。
種まき
利用者さんの作業:培地を並べる、種をまく、日付を書く。
職員の確認:品種、数量、作業手順。
育苗・定植
利用者さんの作業:苗を数える、指定位置へ植える。
職員の確認:苗の状態、植える間隔。
日常管理
利用者さんの作業:水位や葉の様子を確認し、記録する。
職員の確認:補充・調整の必要性、異常の有無。
収穫
利用者さんの作業:指定された野菜を収穫する。
職員の確認:収穫時期、品質、道具の扱い。
出荷準備
利用者さんの作業:計量、袋詰め、ラベル貼り。
職員の確認:内容量、表示、納品数。
清掃・記録
利用者さんの作業:作業台の清掃、生育写真の撮影。
職員の確認:清掃状態、記録の抜け。
同じ「袋詰め」でも、袋を用意する人、野菜を入れる人、ラベルを貼る人に分けられます。
作業の種類だけでなく、手順の数、取り組む時間、必要な声掛けも調整しましょう。本人の希望や得意なことを確認しながら、続けやすい役割を探していきます。
一日の仕事は「確認・作業・片付け」で組み立てる
一日の流れも、毎回同じ形にすると見通しを持ちやすくなります。
1.作業前の確認
担当職員が4台の状態と、その日の作業量を確認します。
利用者さんには「今日はA号機の収穫」「B号機の苗を数える」など、設備名と作業内容をセットで伝えます。設備の名前と作業表の表示をそろえると、対象を確認しやすくなります。
2.担当ごとの作業
種まき、収穫、包装などを、その日の参加人数と体調に合わせて進めます。
作業量が多い日は工程を分け、少ない日は資材準備や記録整理を組み合わせます。4台分を一度に終わらせようとせず、作業単位を小さく区切る方法もあります。
3.片付けと引き継ぎ
最後に道具や作業台を片付け、次の担当者が分かるように記録を残します。
記録は、まず次の項目から始めると整理しやすくなります。
- 日付と設備名
- 行った作業と数量
- 作業に参加した人数
- 作業時間と職員の支援時間
- 気付いたこと、次回確認すること
必要な人数や作業時間はどう考える?
「4台なら何人で、何時間作業すればよいか」は、台数だけでは決まりません。
同じ収穫量でも、まとめて納品する場合と、小袋に分けてラベルを貼る場合では、必要な作業量が変わります。利用者さんへの説明や支援、片付けにかかる時間も含めて考える必要があります。
導入初期は、種まきから収穫・清掃までの一巡を記録することをおすすめします。
例えば「袋詰めに30分」と記録するときも、参加人数と職員の支援時間を併記します。人数が違う日の記録を、時間だけで比べないことが大切です。
その記録から、作業が集中する日、職員の確認が必要な工程、利用者さんが取り組みやすい仕事を見つけ、次の栽培計画に反映します。
土日がお休みでも、植物の管理は続きます
室内水耕栽培でも、休業中に水が減ったり、設備に不具合が起きたりする可能性があります。
お野菜は生き物ですので、どんな栽培システムでも同様です。
導入前に、休日の確認担当と、異常があったときに現地で対応できる人を決めておきましょう。
金曜日に確認すること
- 4台それぞれの養液量と、最近の減り方
- ポンプや循環の状態
- 照明タイマーの設定
- 休業中も必要な空調が運転する設定
- 水漏れや配管の状態
- 休日担当者への申し送り事項
養液は、設備で定めた水位に合わせます。休みだからといって、規定以上に入れる方法は避けましょう。
休日に確認すること
水位、循環、室温、植物の状態を確認し、必要な対応を行います。
誰が現地対応するかまで決めておく必要があります。点検の頻度は、設備の運用条件や実際の減水量などを踏まえて設定してください。
月曜日に確認すること
休日中の記録と現在の状態を照合します。変化があれば、通常の作業を始める前に対応方針を確認します。
休日対応が難しい場合は、その条件を導入相談の時点で伝えることが大切です。
収穫量だけでなく「販売できた量」と「作業の負担」を振り返る
4台を継続して運用するためには、育てた量だけでなく、販売や施設内利用につながった量も確認しましょう。
毎月、次の項目を振り返ると、改善点が見つけやすくなります。
収穫量・販売量
育てた量と、販売先や施設内で必要とされた量が合っていたかを確認します。
販売できなかった量
作り過ぎ、品質、納品時期などに課題がなかったかを確認します。
作業時間
特定の日や工程に負担が集中していないかを確認します。
職員の支援時間
無理なく支援できる作業設計になっているかを確認します。
栽培・販売にかかった費用
売上と費用を照らし合わせ、継続できる運営になっているかを確認します。
利用者さんの声
続けたい仕事や変更したい仕事を聞き取り、役割分担の見直しにつなげます。
工賃向上を目指す場合も、売上だけで判断せず、費用と作業負担を合わせて確認することが必要です。
まとめ|4台の水耕栽培は、週間計画と役割分担から
ネオテラス4台を使った水耕栽培では、日々の点検に加え、種まき、定植、収穫、包装、清掃などの仕事を計画的に組み立てていきます。
大切なのは、次の4つです。
- 栽培時期をずらし、作業の集中を調整する
- 利用者さんの希望や得意に合わせて工程を分ける
- 休日の確認・対応体制を先に決める
- 作業時間と販売実績を記録し、運用を見直す
最初から4台をすべて満量で動かす必要はありません。管理と支援の流れを確認しながら、事業所に合った栽培量へ調整していきましょう。
就労支援施設での水耕栽培をご検討中の方へ
「ネオテラス4台を置くには、どのくらいの作業スペースが必要?」
「今の職員体制で管理できる?」
「利用者さんに合う作業をどう組み立てればよい?」
エコゲリラへ、設置場所、参加予定人数、休日の管理体制、育てた野菜の活用先をお聞かせください。施設の条件に合わせた運用方法を一緒に考えていきます。
